財務省が公表した2025年度(令和7年度)の一般会計税収の決算額は、84兆2,226億円だった。前年度の75兆2,321億円から8兆9,905億円増え、補正後予算額の80兆6,980億円も3兆5,246億円上回った。
税収は「一般会計分計」の決算額
ここでいう税収は、財務省の「一般会計税収の予算額と決算額」にある一般会計分計である。国と地方を合わせた税収や、社会保険料を含む政府全体の収入と同じ意味ではない。比較する際には、対象範囲をそろえる必要がある。
所得税・法人税・消費税が大きい
主な税目の2025年度決算額は、所得税が25兆2,565億円、法人税が21兆7,450億円、消費税が26兆278億円だった。一般会計分計の増減は複数の税目で構成されるため、総額の増加だけから単一の要因を断定することはできない。
「自然増」は実質的な負担軽減を直接示さない
税収は所得、企業利益、消費、制度変更など複数の要因の影響を受ける。名目額が増えたことは税収の結果を示すが、家計の実質所得や負担感、財政政策の余地を単独で結論づける指標ではない。税収の議論では、税目別の内訳と前年・予算との差を併せて見る必要がある。
出典
財務省「令和7年度一般会計税収の予算額と決算額」(2026年7月31日公表)。
増収8兆9905億円のうち、どの税目が増えたか
決算表の「対前年度決算額」を使い、増収の内訳を比較します。単位は億円です。
| 税目 | 前年度からの増加額 | 全体の増収に対する割合 |
|---|---|---|
| 所得税計 | 40,479 | 45.0% |
| 法人税 | 38,348 | 42.7% |
| 消費税 | 10,065 | 11.2% |
| その他の税目の合計(差額) | 1,013 | 1.1% |
| 一般会計分計 | 89,905 | 100.0% |
割合は各増加額÷89,905×100を小数第1位に丸めました。その他は89,905−40,479−38,348−10,065=1,013です。所得税と法人税だけで87.7%を占めます。「その他」がプラスでも、そこに含まれるすべての税目が増えたとは限りません。これは増収額の構成であり、税収総額の税目別構成とは別の表です。
予算との比較をするときの二つの基準
前年度との差は前年から収入がどれだけ変わったか、補正後予算との差は予算上の見込みをどれだけ上回ったかを表します。二つの差額は基準が違うため、足して「新たに使える財源」とはできません。予算超過の額を見ただけで恒久減税の余地や個人の負担軽減を判断することもできず、歳出・借入れ・一時的要因を別に点検する必要があります。
追記(2026年10月2日):出典の決算表と照合し、増収額の分解表、計算式、前年対比と予算対比の違いを追加しました。出典は上記の財務省資料1ページです。










