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中国ビザ2250円から1万6750円 日本の5倍改定と同じ条件で比べる

無記入の申請資料と書類ケースで渡航準備を描く概念イラスト

在日中国大使館は2026年9月11日、日本国籍の申請者の査証料金を14日から変更すると発表した。一次の料金は2250円から1万6750円へ、表示額の比較で約7.44倍になる。ただしこれは査証料金の倍率で、申請者の支払総額が全て同じ倍率になるという意味ではない。日本側の改定との比較も、入国回数、対象者、免除、窓口手数料をそろえて読む必要がある。公式案内を照らし合わせ、数字が適用される範囲を整理する。

1. 中国の新料金は四区分、一次は1万6750円

在日中国大使館の2025年12月30日旧料金表と2026年9月11日改定通知を基に作成。倍率は編集部計算。センター申請手数料等を含む支払総額の表ではない。

日本国籍向けの区分改定前の査証料金9月14日からの料金新料金÷旧料金
一次・シングル2250円1万6750円約7.44倍
二次・ダブル3750円2万5100円約6.69倍
半年マルチ4500円3万3500円約7.44倍
一年マルチ7500円5万250円約6.70倍

旧稿は発表された料金を二種類としたが、公式通知にはシングル、ダブル、半年マルチ、一年マルチの四区分がある。一次と二次の増加額はそれぞれ1万4500円、2万1350円。半年マルチは2万9000円、一年マルチは4万2750円となる。料金区分によって倍率も増加額も異なる。

改定前の額は、2025年12月30日に公表された段階的な減額措置の延長通知で確認した。日本国籍の一次2250円と、第三国国籍の一次3000円は別欄である。旧額を選ぶ際も国籍の行を合わせないと、同じ新料金を使っても倍率が変わってしまう。

約7.44倍は新料金を旧料金で割った値で、増加率は約644.4%である。7.44倍増という表現だと元の額にさらに7.44倍分を足す読み方も生じるため、新料金が旧料金の約7.44倍と書き分けたい。

2. 切替は渡航日ではなく、申請の受理を確認する

中国側の通知は9月14日から変更するとし、それ以前に受理した申請には従前の料金を適用すると記す。第三国国民の査証も従前の料金とする。日本側の外務省案内は、7月1日以降に在外公館で受理された申請に新料金を適用する。いずれも旅行の日だけで適用額を決める案内ではない。

出発が改定後であっても、受理の時点や扱いを確認せず新額だと断定できない。予約、オンライン入力、書類提出、受理は同じ出来事とは限らないため、何を受付の基準としているかを窓口に確かめる必要がある。本稿では各人の受付状況を判断していない。

中国通知の日本語は9月14日以前、同じ通知の中国語は14日前と表現する。変更開始日を明記している一方、切替当日の境界を申請者が言葉だけで判断するのは避けたい。個別の適用は最新の窓口案内で確認する。日付の説明を、駆込み申請を勧める記事にはしない。

3. 日本の5倍と、中国の7.44倍は何を比べているか

外務省の改定前後の案内では、一次有効が邦貨換算約3000円から約1万5000円、数次有効が約6000円から約3万円となる。表示額で割ればいずれも5倍である。ただし、原則として在外公館の所在国・地域の通貨で支払う案内であり、日本円の同一窓口価格を示した表ではない。

中国の一次1万6750円と日本の一次約1万5000円の差は、表示額を引けば約1750円となる。この計算はできても、申請地の通貨、国籍の適用、代理機関の料金まで含めて中国側が必ず1750円高いという総額比較にはならない。比較する額の範囲を明記する必要がある。

さらに中国の二次と日本の数次を並べた4900円差は、同じ入国回数の区分を比較したものではない。旧稿は違いを注意しながら相互主義が一致しない根拠に使ったが、制度が異なる数字をその結論に用いる比較は撤回する。有効期間や滞在の条件も、金額だけではそろわない。

日本の案内は、渡航目的と国籍により手数料不要の場合や異なる額があると明記する。全外国人に一律の五倍という旧説明は訂正する。1978年に定められた額を見直すとの外相説明は確認できるが、48年間の費用が原価に近かった、今回の額が全て外交の温度だという裏付けはない。

4. 査証料金の値上げと、支払総額の倍率は違う

東京の中国ビザ申請センターの案内は、ビザ料金とセンターの申請手数料を区別し、後者への税を含めて総額を計算すると説明する。日本側も承認された代理申請機関を経由する場合、査証の手数料とは別に取次ぎ料金がかかるとする。査証料金一つを全ての申請費用とは呼べない。

影響の読み方を示す仮定として、査証以外に同じ5000円が前後ともかかると置く。旧2250+5000=7250円、新16750+5000=21750円で、総額は3倍となる。これは固定費を仮に置いた編集部の設定例で、現在の窓口の確定総額でも、全申請者に5000円だけ加算されるという案内でもない。

一般に同じ正の追加費用が変わらずかかるなら、総額の倍率は査証料金だけの倍率より小さくなる。一方、速達や追加サービスなど別条件を変えれば比較も変わる。だから総額を比べる際は、通常・加急などの申請条件と費目を前後で合わせる。古い料金表の合計欄へ新しい査証料金を機械的に混ぜ、実際の請求額と称しない。

5. 30日以内でも、目的と旅券の条件がある

在日中国大使館の延長通知は、日本などの一般旅券所持者について、商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問、トランジットを目的とする30日以内の滞在の免除を2026年12月31日24時までとする。日数だけでなく、旅券と入国目的が条件である。

同館のQ&Aは就労、学業、取材報道を免除対象外とし、事前に30日を超える滞在を予定するなら目的に合った査証を申請するよう説明する。旧稿の31日を超えると必要という表現は30日を超えるへ直す。短期でも目的が対象外なら、単に数日の出張だから免除と決めない。

長く滞在する観光客も査証が必要になり得るため、値上げが効くのは観光客でなく働く人と学ぶ人という二分法は誤りである。免除の条件に合う人と、申請が必要な人を分けて説明する。旅行をあきらめる必要がない、赴任費用として小さいといった負担の判断も、個々の事情を確認せず行わない。

四人全員が同じ一次料金で申請するなら、新料金は6万7000円、旧料金は9000円、差は5万8000円となる。ただし、これは条件付きの料金計算で、帯同家族四人に必ずその額がかかる実例ではない。目的、国籍、回数、免除が異なれば、家族の合計も変わる。

6. 相互主義の説明と、料金算定の推測を分ける

中国大使館の通知と9月11日の外交部会見は、相互主義・対等原則に基づく調整と説明する。確認できるのは政府が示した理由で、円換算の基準通貨や各区分の算定式まで公表したわけではない。額の端数だけから、他通貨で決めたためと結論づける旧説明は撤回する。

日本側の外相は物価上昇や為替変動に対応する見直しと述べたが、それを中国側の額の端数や自動改定にまで広げることはできない。円安なら必ず同じ査証料金が上がるとも言わない。実際の料金変更には、その時点の公式通知を確認する必要がある。

免除期限の後に何が起きるかも、延長や別の措置が発表されるまでは未確定である。延長されなければ全観光客が必ず1万6750円を払うとの旧予測は撤回する。将来の制度を今の料金一つで固定せず、対象者や免除の変更と料金改定を別々に追う。

独自の視点――倍率の競争より、誰の負担かを追う

編集部が重視するのは、七倍対五倍という数字の競争を、申請者の実際の負担へつなぎ直すことである。査証が不要な条件に当てはまる人と、申請が必要な人では影響が異なり、同じ一次料金でも窓口や追加費目によって総額が変わる。高い倍率ほど、分母と適用範囲を先に確認したい。

次に政策の影響を検証するなら、同じ国籍・目的・回数・受理時点の組合せで、査証料金と窓口費用を分けた前後比較を作る。往来が変わったかを見る場合も、免除対象と申請対象を混ぜず、航空便や他の渡航条件も分けて考える。これは編集部の検証案で、今回の改定だけによる人数の変化を既に測定したという意味ではない。

相互主義という外交上の説明は大切だが、同額・同倍率・同じ対象を全て意味するものとして扱わない。政府の理由、適用される規則、実際の支払額を三段に分ければ、原価や為替や政治意図を推測で埋める必要がなくなる。料金のニュースを実際の往来の問題として読むには、倍率より前に誰に何がかかるかを確かめる。それが今回の公式案内からの独自の視点である。

訂正・補足(2026年10月10日):在日大使館の発表を根拠とする旧注意を維持し、公式の新旧四区分を照合。二次と日本の数次の差を相互主義の評価根拠にする比較を撤回し、日本の全外国人が一律対象との説明を訂正した。30日超の境界、旅券・目的の条件、査証料金と総額を区別。端数を為替換算とする推測、原価・外交の温度・負担の大小・将来の全観光客支払を断定する説明を撤回。大阪センターの転載通知も確認したが、全領事館・全通貨・全個別請求は未確認。旧内部メモは履歴として保存し、訂正後の本文を優先する。

[文・構成=編集長 麻生 矩暉]

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