2026年10月3日更新。美浜発電所3号機の水の滴下について、関西電力は10月2日に原因と対策を公表しました。本稿は9月17日の初報と続報を比較し、発見・停止判断・実際の停止を整理します。以下の設備状態や原因は同社の公表内容であり、編集部が現地で独立に検証した結果ではありません。
9月17日に確認、18日未明に原子炉を停止
関西電力の9月17日発表では、15時45分ごろ、6A高圧給水加熱器の水位制御弁出口配管にある空気抜き弁周辺で、保温材から毎秒3滴の水の滴下を確認しました。同社は、当該箇所を系統から隔離できないことなどを理由に17時45分に停止して点検する判断をし、20時30分から負荷を下げ始めたと説明しています。
10月2日の続報によると、原子炉の手動停止は9月18日4時3分です。「17日に停止を決めた」と「18日に原子炉が停止した」は、異なる工程を示しています。同社は本事象による環境への放射能の影響はないとしています。
10月2日の続報で分かったこと
同社は配管の貫通穴と外面腐食を確認し、保温材を覆うカバーが上下逆に取り付けられていたと説明。雨水が入り、停止中に外面の腐食が進んだことが貫通の原因と推定しています。2020年の点検ではカバー上からの外観目視にとどまり、上下の向きを確認していなかったという点も記載しています。
対策として、当該配管をステンレス鋼製に交換し、カバー・保温材の交換や施工時の注意事項の明確化を行う方針です。他の屋外配管の点検で見つかった取付け・止水の問題への処置も報告しています。原子炉の起動は系統・機器の点検完了後とされ、同発表だけで運転再開済みと読み替えることはできません。
「毎秒3滴」を一日分に延ばすときの落とし穴
3×3,600=10,800滴という計算は、同じ滴下が1時間続いた場合の換算です。同様に24時間なら259,200滴ですが、これらは実測した累計量ではありません。流れが一定だったという記録と継続時間がなければ、実際の総量とは言えません。1滴の体積も示されていないため、リットルへの換算は本稿では行いません。
安全性を判断する材料も、滴数だけでは足りません。どの系統で、何が漏れ、停止・隔離の可否や周囲への影響がどうだったのかを合わせて確認する必要があります。滴下量が小さいという表現と、点検のため運転を止める判断は、必ずしも矛盾しません。
点検数の割合から「未点検」を決めつけない
旧稿は定期検査資料の配管総数と肉厚測定数を割り、その残りが次回まで直接確認されないかのように説明していました。しかし、検査方法・対象範囲・周期をそろえずに計算した割合は、設備全体の未点検率を示しません。今回は、この推論を削除しました。
読者が続報を評価する際に確認したいのは、問題の箇所で何を検査したか、なぜ当時の点検で見つけられなかったか、同様の箇所をどこまで調べたかです。「点検した数が多いか」だけでなく、今回明らかになった損傷の仕組みを見つけられる方法に変わったかが、再発防止策を読む焦点になります。
続報を追うための確認項目
公表日:__/発見した事実:__/原因の推定と根拠:__/実施済みの対策:__/まだ予定の対策:__/再開判断の条件:__。この順に記録すると、初報で未確定だったことが続報でどう変わったかを追えます。別の時期に起きた設備トラブルと原因を結び付ける場合も、共通原因を示す調査資料があるかを確認してください。
出典・訂正
関西電力:9月17日の初報/10月2日の原因と対策(本文・添付図)/美浜発電所の公表資料一覧。
9月の速報を10月2日の続報で更新し、閲覧できないNHKリンク、滴下が一定のまま続くとの前提、点検率についての不適切な推論を修正しました。計算例と資料の読み方は本稿の分析です。














